身代わり花嫁は若き帝王の愛を孕む~政略夫婦の淫らにとろける懐妊譚~
椿は驚いた顔をしたが、頭を撫でられて嬉しかったのか、はにかんだようにうつむく。

「これを」

仁は運んでもらった荷物の中から、白い紙袋を三つ取り上げて椿に差し出した。

「これは……?」

「洋服だ。姉の着物を着ているよりは、こちらの方が幾分かマシだろう?」

椿は紙袋の中を覗き込み、目を大きく見開く。

「出しても?」

「ああ」

紙袋を持ってパタパタとリビングに駆けていく。中からリボンにくるまった包装紙を取り出しソファの上で広げた。

入っていたのは手触りのいいスモーキーピンクのワンピース。確か椿はこの色の名前を薄紅梅と言っていた。

「わあ……」

椿が感嘆の声をあげ、目をキラキラと輝かせる。まるで宝物を見つけたような表情に、思わずクスリと笑ってしまった仁だ。

女性にプレゼントを贈ったのは初めてではないが、こんな反応をされたことは初めてだった。感動と喜びが入り交じった、眩い表情をされたのは。

「洋服に合う小物も入れておいた」

椿はワンピースの入っていた紙袋から、もうひとつ包装紙を取り出す。

中は真っ赤なレースの下着だ。和装下着とあまりに異なる妖艶なラインに、椿の顔が下着と同じ色に染まる。

< 131 / 258 >

この作品をシェア

pagetop