過保護な次期社長の甘い罠〜はじめてを、奪われました〜
きっと再会から始まる恋を期待しているのだろう。

渚さんはその手の話が大好きだ。

自身も恋多き女と自負していて、好きだと思ったら猪突猛進タイプらしい。

こんな可愛いらしい女の人に来られたら、ひとたまりもないだろうな。

きっと私なら速攻で落ちてしまう。

「あはは、来ないです来ないです!だって私、好きだった人も元カレもいないですから」

「……えっ⁉︎好きだった人も元カレもいないって……、まさか、それってひょっとして羽衣ちゃんって、今まで誰とも付き合ったことないってことっ⁉︎」

「なっ、渚さん、声が大きいです……っ!」

私たち以外にも数名着替えてる人がいたから、慌てて彼女の口を塞ぐ。

髪を1つに纏めながらついうっかりぽろっと言ってしまった……!

聞かれたところでどうという訳でもないんだけれど、なんとなく22年間彼氏なしというのは今時普通ではないんだろうなあと思うから。

「ごっ、こめん……っ!でっ、でも本当に……⁉︎そんなに可愛いのに、誰とも……っ⁉︎」

渚さんが面白いくらいに動揺している……。

苦笑いを溢しこくりと頷き、首元にスカーフを巻きながら私は学生時代のことを思い返していた。
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