奇跡〜だいすきなひと〜
「ねぇねも遊ぼー!」


私が部屋に入ると、こころがそう言ってくれ


た。永遠くんも手招きしてくれてる。


「ねぇねも混ぜてー。」


そう言って私も2人に混じった。2人はトラ


ンプで神経衰弱をしてる。


私も入って3人でひとしきり遊んだらこころ


がお腹空いたって言い出した。


時計を見ると12時を回った頃。私たちももう


すぐお昼が運ばれてくる時間。


ママとこころはお昼を食べに帰った。お昼


からも来るのかな?


「あかりちゃーん。永遠くん知らない?」


看護師さんが、私の部屋にご飯を持ってきた


時に聞いてきた。


看護師さんはご飯の準備をしながらだった


から私の部屋にいる永遠くん気づかなかった


んだと思う。


「永遠くんのところにご飯持っていったん


だけどいなかったのよ。」


その言葉の後に顔を上げた看護師さんは目の


前にいる永遠くんにびっくりしてた。


「永遠くんここにいたのね。」


「すいません、あかりとこころちゃんと遊んで


ました。」


「ほんとに2人付き合ってるの?」


「「ないですよ。」」


私たちは声を揃えて返したけど、心のどこか


で少し寂しかった。


いつか付き合えたりしないかなぁ。


「これからご飯こっち持ってこようか?」


「いいんすか!?」


「もうほんとにす、、、」


「だめっすよぉ、言ったら。」


「ごめんごめん、」


「何言おうとしたんですか?」


「あかり聞かないよー!」


「なんでなんで?」


「じゃあ私はここでしつれ〜い。」


「ちょっと〜!」


追いかけたい、、、


思うように動けないの悔しい。隣を見ると、


永遠くんがほっとしたような顔をしてた。


看護師さんなに言おうとしてたんだろう、、、


「看護師さん、何知ってるの?」


「言えねーよ、あかりには。」


「えぇぇぇ、、、 教えてよ」


「そのうちなぁ。」



そのうちかぁ。いつ教えてくれるんだろうな。


永遠くんが退院するまでに聞き出せるかな。
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