奇跡〜だいすきなひと〜
そして、



ガシャーーーーーン!!!



正面衝突。私もぶつかった彼もお互い吹き飛


んだ。まわりが静かな住宅街なのもあって


事故の音がかなり響いた。その音を聞いて


駆けつけてくれた住民の方が救急車を呼んで


くれた。


吹っ飛んだときに頭打ったのかな。身体が動


かない。目は見えてるけど、身体だけが、、、


金縛りみたいになってる。


救急車の音がどんどん近づいてくるとともに


私の意識は遠のいていった。


担架に乗せられたところから病院で目を覚ま


すまでの記憶が全くない。


ずっと意識を失ったままだったんだと思う。





「ねぇね!」



「、、、んんん、、、」



「ママ!目、覚ました!ねぇね起きたよ!」



妹のこころがそうママに伝えた。ママは今日


は休みだったけど、普段明け方から働いてく


れてるから、私が事故にあったって聞いて


病院に来たあと仮眠をとってたんだと思う。


「あかり、、、
 

よかった、目が覚めて、、、」



心配かけちゃってごめんね。そう言いたかっ


たけど思うように声が出せなかった。


思うように声が出せないのって目が覚めた


ばっかりだからだよね、、?


まさか事故の後遺症で声が出ませんなんて


ないよね、、?



「あかり、手、握れる?」


ママの手をぎゅっと握った。良かった、、、


手に力入ってる。ホッとしてると医師が入っ


てきて私の状態を確認した。


「あかりちゃん。頭痛い?」



頭、痛いけど痛いだけじゃなくて波打つよう


に地響きみたいなのが起きてる。


上手に伝えられたかは分からないけど私が


感じてるものは伝えた。


すると医師が足を持ち上げた。


「私が手を離しても足上げててね。」


と言って手を離した。普通に考えれば誰だっ


て出来ること。だけど、私の足は医師の手が


離れるとそのままベッドに落ちた。


え、、、?


足に力が入らなかった。グッと入れようと


したけど全く入らなかった。


医師は、やっぱり、、、という顔をしていた。
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