いじわる同級生とにせもの恋愛中。
あれからというもの……





夏月は、今までが嘘だったかのように話しかけてこなくなった。





海哉は、前より全然話すようになり、今では友だち感覚で接せられる。まあ、喧嘩になりやすいのは変わってないんだけどね。






今は、次の期末テストの勉強会……。






「ここ、また違う。さっきの方程式使ってから、こっちに代入する」






「えー、そんなのの区別つかないじゃん」






「問題文から判断できるようにするんだよ」






「そんなに頭まわらないもん」







数学というものがちんぷんかんぷんなわたしに教えてくれる海哉は、本当にいい人!と思いたい……。






でもね!言い方がキツいんだもん。






「もう無理!休憩……」






「こんなんでへばってて、よくこの学校受かったな」





しかたないじゃん?家から1番近い学校ここだったんだもん。だから、頑張って勉強したんだもん。






中学の内容でもギリギリだったのに、高校の勉強なんかわかるわけない!







って、最近開き直るようになった。







「ねぇ、海哉」






「ん?」







目の前で自分の分の課題を解いている海哉に、ずっと気になってたことを聞いてみた。





「なんでそんなに意地悪なの?」





「は?」って、海哉にしては珍しいマヌケ顔。





「だってさ、わたしに意地悪なことしか言わないじゃん?なんでかなって」





「んー」






本人無自覚ですか?





基本、あんまり女子と話すとこ見ないけど、こんなに意地悪で大丈夫なのか?






思案していた海哉は、しばらくしてようやく口を開いた。





「お前がムカつくことしかしないからじゃね?」





「え、ひどすぎない?」





「事実だろ」





「……」


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