fate



嘘つき。




苦しくて、仕事が全然進まない。
でも、だるい腕を上げてキーボードをたたく。



気づけばバレンタインも過ぎたある日、やっとメールが届いた。


【この前はごめん。
引き留められてるのも分かってたのに、冷たくしてしまった。

俺はどっちも不幸にしてる。


もう、終わらせなきゃいけないね】



終わらせる――?


手が震えてくる。
涙が溢れそうになって、おぼつかない足取りでトイレに逃げ込む。

足に力が入らなくて、個室の壁にもたれる。


【まだ終わらせたくないよ…。

お願いだから、切らないで】


すがり付くなんて、カッコ悪いと思ってたけど。

今は、こんな言葉しか思いつかない。



最初から、終わりがあることは分かってたけど、こんなの突然すぎるよ。




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