fate

「あー…女の子だから…」

『あ、そっか。…それは、うん、しょうがないね。

薬飲んだ?』

「ご飯食べ終わったら飲むよ。
心配してくれてありがとう」

嬉しくなって、倉庫の中が寒いことも、ちょっとお腹が痛いことも忘れてニヤニヤしてしまう。


『辛かったら言ってね』

「お腹とかなでなでしに来てくれるの?」

意地悪な質問をしてしまった。
でも、たまにはいいよね。


『うーん…行ってあげたいけど…』

それでも、笑いながら優しく返事をしてくれるから、ますますニヤニヤしてしまう。

「冗談だよ。ありがとう」




お弁当を食べに戻ると、今度は式場の話で盛り上がっていた。

「じゃあNホテルでほぼ決まり?」

祥子ちゃんもなんだか嬉しそうにしている。

「多分ねー…。
あたしはあの、よくCMしてる海の近くのとこがよかったんだけど…」


「あたしもあそこがいいーーー」
思わず口を挟んでしまって、ハッと我に返る。


「いや、なんか海が見えるって綺麗そうでいいよねー」

あたしは在原さんと……。
って妄想してしまう。






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