俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】

 千里さんの話がなんなのか気になって仕方ないが、なにがあろうと仕事でのミスは二度と許されない。しっかり気を引きしめようと心に誓って業務にあたり、彼がいない二日間は問題なく終えられた。

 午後五時半にオフィスを出てエレベーターに乗ろうとしたものの、たまたま混み合っていたので階段で下りることにする。

 四十分ほど前に無事シンガポールからの便が到着したので、千里さんもそろそろデブリーフィングを終える頃だろう。夕飯は一緒に食べられそうだ。

 なにを作ろうかと考えながら階段を下りていたとき、二階の踊り場で話している男女に気づき、私はぴたりと足を止めた。制服姿のふたりを見て息を呑む。

 千里さんと、玲香さんだ。

 なにやら物々しい雰囲気を感じる。咄嗟に身をひそめてふたりの様子を窺うと、玲香さんが真剣な面持ちで口を開く。


「好きです、天澤さん」


 ストレートな告白が響き、私の心臓がドクンと重い音を奏でた。

 玲香さん、諦めたんじゃなかったの……? でも、告白にしては甘さが足りないというか、どこか挑発的にすら感じる声色だった。
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