俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】

 もしかして、私が切り出す前から天澤さんの気持ちに多少なりとも変化があったんだろうか。今日食事に誘ってくれたのは、彼なりに歩み寄ろうとしていたからだったのかもしれない。

 ちゃんとした夫婦に一歩近づけた気がする。喜びを隠せない笑みを浮かべ、私も驚くほど柔らかいステーキにナイフを入れた。


「蒼麻とならこうやって食事するのも、電話するのも悪くないな」


 またしても嬉しい言葉が聞こえてきたものの、ひとつだけ引っかかり、お肉を頬張ろうとしたところで「電話?」と繰り返した。

 こちらを一瞥した天澤さんの目が据わる。


「やっぱり覚えてないのか。まあ、寝ぼけてるのはわかったけど」
「え……えっ?」


 一体なんのこと?と混乱する私に、彼が「着歴見てみろよ」と促す。私はナイフとフォークを置き、慌ててスマホを取り出した。

 履歴を見て目を疑った。確かに、一番上に天澤さんの名前があるのだから。


「本当だ! 私、電話出てたの!?」


 驚愕する私を見て、彼は笑い交じりに「しょうもないヤツ」と小さく呟いた。
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