俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】
本当に美紅さんとパーッとやりたい気持ちはあるのだが、天澤さんに援助してもらっている身としては少々決まりが悪い。
苦笑を漏らす私を見て、美紅さんは不思議そうに首をかしげる。
「天澤さんと結婚するならお金の心配はいらないんじゃないの?」
「自分のものは自分の財布でっていう決まりなんです。今回のことで貯金はほとんどなくなっちゃったし、ある程度貯めないと」
「へえ~、きっちりしてるのね」
生活に必要なものや食費などは天澤さんのお金でやり繰りしていいことになっているものの、娯楽費はもちろん自腹。火事に遭ったあとの修繕費用やらなにやら、自分で払えるものは払ったので貯金はすっからかん状態なのだ。
興味深げな美紅さんは、食事もそこそこに次々に質問を投げかけてくる。
「契約結婚ってことは期間限定なの?」
「いや……終身です」
「えっ!? ふたりともそれでいいわけ?」
「お互いに、たぶん他の人とは結婚できないからって話になって」
初めてマンションにお邪魔した日に話したことを思い出していると、驚いていた美紅さんの顔がにんまりと緩んでいく。
「なんだ、運命の相手だったんじゃない」