BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-
溺 愛





「あーっ、モブ子先輩やっと来た。ついにバックレたかと思ってひやひやしましたよ」


扉を開けると、もう馴染みになった顔ぶれが並んでいた。



「わあ、皆さんお揃いで……」

「お前その痣はなんだ」


頭で事前にシュミレーションした通り、にこっと笑ってみせた直後、千広くんの声が飛んでくる。



「マジだ。目の上青くなってんじゃん」

「誰にやられたのるーちゃん」

「うわ、痛そ……大丈夫ですか」


千広くん、絹くん、冽くん、それから開吏くんにわらわらと囲まれる。


こういうときに限って優しいんだろう。


うっかり涙が出そうになった。


< 284 / 309 >

この作品をシェア

pagetop