違いませんが、 違います‼︎


隣のミーティングルームでは、宛名シール貼りをしている。
地味だけど、大変そうだ。

時々電話に出ては中断し、また作業に戻る。

「シール貼るだけなら、私がやりますか?」

本当に忙しいんですね。

シール貼るだけですよ。
そんなに目を輝かせないでください。

「ちょっとごめん」

スマホを片手に出ていってしまいました。

名簿があるので、確認しながら貼っていきます。

戻って来ません。

この人のないですよ。

とメモをして、斉藤さん又は三枝さん探しに戻ります。


「なにしてるんだ?」

美ヴォイスに振り向けば、須藤さんが立っていた。
須藤さんは、斉藤さんがたまに連れてくる人。

同じ会社の人だとは思ってはいたが、相変わらずオーラがある。きっと偉い人。

「斉藤さんに呼ばれて」
「あぁ」

なにか知っているようですが、出来る人は、劣等感からか萎縮してしまう。

「で、なにをしてるんだ」
「雑用です。終わったので、斉藤さん達を探してます」

ポケットから財布を取り出し、一万円を私に差し出す。

「給与分しっかり働けよ」

つい受け取ってしまった。立ち去る須藤さん。

日給1万。多くないですか!こんな貰う事してません!

急に呼び出されて放置されてるんだから貰っちゃいなよ

と言う悪魔の囁きと

こんな誰にでも出来る仕事、最低賃金ですら多いよ。返しなよ

と言う天使の囁きが聞こえる。

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