紳士な御曹司の淫らなキス~契約妻なのに夫が完璧すぎて困っています
 

 その次の日も須藤さまはやってきた。結婚式に出席した帰りなのだろう。緑のパーティードレスを身に着けている。


「ネイルをオフしに来ました」


 須藤さまは個室に入ってスツールに腰かけると、苦笑した。


「二次会に誘われてたんだけど、断って帰ってきちゃいました。友達の幸せそうな顔をみていられなくて……」


 わたしはなんと言っていいのかわからなかった。


「きっとそのうちいい出会いがありますよ」


 そう言うと、須藤さまはいきなりわたしを睨んできた。


「樫間さん、ずいぶん上から目線ですね。内心ではわたしのことを馬鹿にしてたんじゃないんですか⁉」

「いいえ、そんなことは……っ」


 いつも明るい須藤さまが激昂する様子にわたしはたじろいだ。


「あんな素敵な婚約者がいるんですもんね。だからいつも結婚の話を聞いても、あんなに平然としていたんでしょう? 本当は内心わたしのこと陰で笑ってたんでしょう?」

「! わたしは!」

「もういいです!」


 須藤さまは、施術の途中でスツールから立ち上がると、カウンターにお金を置いて立ち去っていった。





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