2人なら…「推しと彼氏と彼女の関係」
喉の奥までぎゅっと絞られる。

「それ以外…方法が思いつかないから。」

「でも…。」

「このまま…ずっと、もどかしさを誤魔化してなんかいられないだろっ。」

スゥ…らしい。

でも、でも怖い…

答えを聞くのが怖い。

「うん…そうだね。このままじゃ…ダメだよね。私たち…。」

「撮影と練習の合間になるけど…近いうちに富山に帰って確かめる。
それに…お盆だし行きたい場所もあるから。」

「お墓?」

「………。ん、まぁ。」

「アキちゃんの。」

「…………。」

「リュウから聞いたの…。」

「アキが死んだのは俺のせいだから。」

「…それは違うよ。」

「いや…アキがいなくなったのは俺が約束を守れなかったから…。
俺がちゃんとタンク山に時間通りに着いていればアキはいなくなったりしなかった。」

「違う…スゥ…違うよ。」

「そもそも、俺が30分早く…呼び出したりしなければ、アキとはぐれたりなんかしなかった。」

「スゥ……でもっ。」

「やめよう…ハル。この事実は違わないんだ。
ごめんなハル、今日は頼むよ。
気まずい思いさせて…ホントごめん。」

そう言ってスゥは通話を切った。
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