わがままシュガー
もし大事な人がずっと眠ってしまったら……目が覚めるか覚めないのかすらもわからないまま、自分だけが歳を重ねて行ったら。
佐藤はその恐怖を、一人で抱え込んでいたんだろうか。
「学校ではそんな姿、見せないくせにね」
「こんな理由で楽しい雰囲気壊したくないし……それに四人でいる時は本当に、沈んでる暇なんてないから」
「たしかに」
「この四人で仲良くなれて、救われたのは俺の方」
「私も救われてるけどね」
佐藤には特に、ね。
蜜ちゃんの病室を出て、売店で飲み物を買った。
私は桃サイダーを買って、佐藤はコーヒーを。
ていうか佐藤ってコーヒー飲むのか、いつも飲んでもカフェオレだったじゃないか。
休憩スペースを借りて二人並んでそのボトルを開ける。
「佐藤って、自分の好みまで女の子らしさとか……意識してたの?」
「ん?いや……大体は蜜の好みを忘れないようにって。でもそれじゃ、和香に俺自身の好みも知って貰えねぇじゃん」
「もはやどこからが嘘なのか、それとも全部嘘なのか、本当に区別付かないよ佐藤」
「いや、嘘より俺の本当を探して?」
複雑そうな佐藤の顔に、私はペットボトルに口を付けたままクスリと笑う。