わがままシュガー


「ちょっと頭痛薬飲むわ」

「えーだいじょーぶ?生理?」

「そのネタも昨日の暴露のせいでもうセクハラにしか聞こえないわ」



いや、別に佐藤ならなんかいいんだけど……アンタなら今までだってそうだったから許せるけど。

心配してくれてるのは、わかるし。



「あれ、じゃあ待って、アンタ月末に生理来るって話は……」

「生理とか無縁だしぃ?」

「クソが」



ヤバい、頭痛のせいか段々口が悪くなってきた、イライラする、本当に近々生理くるかも。



鞄からピルケースを取り出し緑色のカプセルを手に取ると、麦茶で流し込んで横に寝転んだ。

すると、ひんやりとした手が額に当てられる。

佐藤の手だ。



「このまま帰ってもいーんじゃない?」

「次のコマ……」

「睡眠不足だって立派なたいちょーふりょーだよ。まぁ、あーしのせいなんだけど。いや、二日酔いのせいとかもあるんじゃない?」

「サワー一杯で二日酔いになってたら酒なんて今まで飲んでない」

「だよねー」



ケラケラと笑う佐藤の手のひらが、額をゆるりと撫でて、瞼の上にその手が置かれる。



「あーしが責任取って紳士として守ったげるから、和香は寝てていーよ」
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