音に祈りを!歌に願いを!
「……大丈夫。ねぇ……悠は、陽音の家庭環境は知ってるの?」

真空の問いかけに、僕はゆっくりと首を横に振った。

「……仲良くなったの、昨日だから……」

僕がそう言うと、真空は「昨日!?」と驚く。

「そうだよ。昨日、ゲーセンで音ゲーしてたら……たまたまクラスメイトである悠と会って……一緒に帰ってたら、シャドウ……だっけ?に遭遇して……」

「……」

僕の言葉に、真空は何かを考え込んだ。

「……真空?」

僕が声をかけても、真空は反応しない。少し考え込んだ後、真空は微笑む。

「……そっか……陽音は、良い相棒を見つけたんだね……じゃあ、今から奏者についての説明を少しだけ……と言いたいんだけど、先に一言だけ。僕……奏者じゃないんだ。でも、出来るだけ皆の力になりたいって思って、奏者に説明をしてるんだ」

「……!」

……真空も音ゲー上手いし、奏者?ってやつかと思ってた……。

真空の言葉に、僕は驚いた。僕の反応を見た真空は「意外でしょ?」と笑みを崩さない。

「でも、父さんが奏者で母さんが護衛だし、色々聞いてるから説明は出来るよ……じゃあ、説明を始めるね……」

そう言って、真空は真剣そうな顔で僕を見る。
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