音に祈りを！歌に願いを！
「……説明は後でするから、とりあえず着いてきて」

男性は、そう言って歩き始めた。僕と悠は顔を見合わせるとスマホをカバンに片付けてから、急いで男性の後を追いかける。

このゲーセンの裏にある、人気のない狭い通路まで来た男性は「関係者以外立ち入り禁止」と書かれた扉の前で、立ち止まった。辺りを見渡した男性はズボンのポケットから、水色の宝石が埋め込まれたペンダントを取り出す。

そのペンダントを扉にかざすと、扉の真ん中に大きな魔法円が現れた。男性は、その扉を開けると僕らに入るように促す。

僕と悠が中に入ると、扉を閉めた男性は狭い通路を通って、突き当たりにある扉を開いた。

そこは、ゲーセンの中にあるとは思えないほど広い施設みたいな場所だった。

中に入った僕は、辺りを見渡す。

端の方には色んな音ゲーが置かれてたり、ガラス張りにされた窓を見つめながら、僕が昨日演奏バトル？をしたみたいに演奏してる人がいたり。

それを見つめてると、男性は僕の肩を叩くと、近くにあった僕が良く遊ぶ音ゲーを指さした。

「……あの音ゲーのカードリーダーに、そのペンダントをかざしてみて」

「え……？」

男性の言葉に、僕は戸惑いながらもカードリーダーにペンダントをかざしてみる。
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