獅子組と私
その後道彦達に事情を話し、屋敷に帰った二人。

帰ってすぐ、ベットに寝かされ組み敷かれている椎那。

「ほんとにいいの?椎那」

「いいよ、飛鳥くん」
「たぶん、止まんないよ……。
僕的には、あんな“ゴミ”の触ったとこ全部…僕で塗り替えたいと思ってるんだから」

「うん、飛鳥くんでいっぱいになりたい。
飛鳥くんにしか触れてほしくないの……
私に触れられるのは、世界中で飛鳥くんだけだよ?
最初から………!」
「そうだよね……!椎那の身体は僕しか知らない。
椎那のどこが気持ちいいかも、身体中のホクロの数も、キスマークや噛み痕だって……
僕“しか”知らない………!
じゃあ…全部……塗り替えるから、僕でいっぱいになって……!」

「ん……あ…あぁ……は…あ……んぁ…」
飛鳥の激情を受けながら、必死でしがみついている。
飛鳥の背中に、椎那の爪痕がたくさんついていく。
「……っつ…椎那…椎那…僕を見て……」
「あす…か…く…も、だめぇ…」
「まだ待って……僕だけに…まだ……いっぱいになってないよ…」
「んぁぁ……あす…か…く━━━━━━」
飛鳥にしがみついていた、椎那の手がストンと落ちた。

「椎那…?」
軽く頬を叩く。
「椎那…お願い……起きて…?」
「………」
「お願い……まだ足りない、んだ…」
「………」
組み敷いて繋がったまま、椎那を見下ろして椎那の前髪を払う。
そして額、頬、口唇の順に触れて撫でた。
清美から聞いた“ゴミ”のしたことが、また甦った。

【ホテルに連れてかれて……】
椎那の口唇にキスをする。

【服を引き裂かれて………】
椎那の胸に触れる。

【キスマークを付けられたらしい━━━━】
そのまま少しずつ下に手を滑らせ、腹、足の付根に触れる。

「椎那……早く起きて……!?
早く、あんな奴のこと…僕が忘れさせてあげるから。
………………いや、違う!違うんだ………!
僕が早く……忘れたいんだ…………」



僕の椎那が、あんな奴に触れた事実を消したいんだ。

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