Szeretlek
外に出て、私は愛車に彼を誘導した。

「ハイ、後ろに乗って」

「えっ!?これ…一体何ですか?」

「電動三輪。確かに、ジャガーも運転免許も持ってるけど、私の運転はちょっと危ういからね。普段はこれで移動してるの。よく家族や友達を後ろに乗せてるから、心配しなくても大丈夫よ」

「へぇ…大人の乗れる後部座席つきの電動三輪なんて、初めて見ました」

尚は子供のような瞳で、楽しそうに車体を眺めていた。

日本製じゃないこともあり、珍しいのだろう。

彼を後部座席に乗せて、私はゆっくりと走り出した。

肌をくすぐる風が心地よかったことを、よく覚えている。
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