強引でロマンチストなホテル王に溺愛されました。
 言われて目に入るのはいつぞやのと同じキングサイズのベッドが一つ。

 休めとは言うけれど、本当に休ませてくれるのかどうか……。


 ううん、それこそハッキリしておかないと!!


 一緒に行動することは了承してしまった。
 同じ部屋というのも、少なくとも今日は確実に諦めるしかない。

 でも、それ以上のことは許しちゃダメだ。


 自分に言い聞かせ、確認するかのように考える。

 そして、ケントが“そういうつもり”だと言ってしまう前に約束を取り付けることにした。

「……ケント、あなたは体じゃなくて心を確認したいんだと言いましたよね?」
「ああ、そう言ったな」

「じゃあ、約束してください!」

 しっかりと彼を見て宣言する。


「一緒に行動はしますが、この旅行中は私を抱かないでください。私は貴方のセフレになんてなりたくありませんから!」

「……」

 ケントは数秒止まってから、少し視線をそらし「そうだな」と呟く。


「心を確認したいと言ったのは俺だし、安易に体の関係に走るのは違うからな」
 と言って納得してくれたことにホッとする。

「依子がちゃんと一緒に行動してくれるのなら、旅行中は手を出さないと約束しよう」
「ありがとうございます」

 良かった、とお礼を言うと二ッと意味深に微笑まれた。
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