強引でロマンチストなホテル王に溺愛されました。
 ……あれ?

 その笑顔に、私何か失敗した? と思ってしまう。


「ちゃんと四六時中一緒にいてくれるんだな。良かった良かった」
「え?」

 四六時中って……。

「あ……」

 そっちを先に訂正しておきべきだった?


「いや、今日は仕方ないにしても、明日からは部屋は別々に」
「いやぁ良かった、一緒にいてくれると言ってくれて」

 今からでも遅くはないと訂正しようとしたけれど、遮られて聞こえないふりをされてしまう。


 子供かこの人は!?
 色々と強引過ぎる。

 これは先にそっちの認識を改めさせておかなかった私が悪いのか……。

 いや、強引に進めるケントが悪いでしょう。


 でも、その強引な彼は同じ部屋で過ごすことを望んでいた。
 そして私はその強引さに抗うことが出来そうにない。

 手は出さないと約束出来ただけでも良かったと見るべきなのか……。


「っ――! せめて、明日からはベッドが二つの部屋を希望します!!」

 それがせめてもの譲歩だった。
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