神、恋に落ちる
直矢「オーナー」
一徹「ん?何だ」

直矢「白羽ちゃん、神に洗脳させられてるんじゃないんですか?」

一徹「洗脳……?
…………洗脳させられてはない。
命を選んだのは、白羽だ。
ただ……」
直矢「ただ?」

一徹「“神石 命”に呑み込まれて、狂わされているとは言えるかもしれないな…………」
一徹が天井を見上げ、目を瞑った。

そして直矢に向き直り、続けて言った。
一徹「お前には無理だぞ」
直矢「え?」
一徹「白羽に惚れてるんだろ?」
直矢「いえ……昔惚れてただけです」
一徹「そうか。だったら、いいが!」

直矢「神に、白羽ちゃんは相応しくありません!」

一徹「その言葉……」
直矢「え?」
一徹「命には言うなよ」

直矢「もう言っちゃいました」

一徹「よく生きてるな、お前」

直矢「は?」

一徹「次は、殺されるぞ」

直矢「………」

一徹「きっと、次は“ライン”を越える」
そう言って一徹は、去っていった。



その頃の命と白羽。
白羽の切り傷を処置していた。

命「はい。これでOK!」
白羽「ありがとうございます!」
命「大丈夫?痛くない?」
カットバンの上から擦った命。

白羽「はい、たいしたことないですし…!」
命「でも、白羽が傷ついたことには変わりないよ?」
白羽の頭を撫でる命。
そして額にキスをした。

白羽「あの…命さん」
命「ん…なぁに?」
その後もキスで責めている命。

白羽「命さん、好きです」
命「え?」
口唇を離し、白羽に向き直った。

白羽「だから、もう直矢くんにあんなこと……」
命「あんなこと?」
白羽「その…胸ぐらを掴んだりとか……」

命「んーそうだね。
でもね……白羽は俺“だけの”婚約者なんだから、奪おうとする奴には容赦しないよ?
できるなら、直矢の頭の中から白羽の存在を消してしまいたい……もちろん、白羽の頭の中からも……」

白羽「命さん……」

命「そうすれば、余計な感情もなくなるでしょ?
俺も、直矢も……」
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