神、恋に落ちる
その後、マンションに帰り散々命に激愛をぶつけられるように抱かれた白羽。

今はぐっすり眠っている。
命は肘枕で、白羽を少し見下ろしながら髪の毛をすくように頭を撫でていた。

【神には、もっと相応しい女が……】
直矢の言葉を思い出していた。

そこへ、白羽のスマホが震え光る。
なんの躊躇もなく、白羽の指を掴み指紋認証をしてスマホ画面を開いた。

【久しぶりー!
毎年恒例の、飲み会をしまーす!
今週か来週のどちらかいい日を選んで返信ちょうだい!
あ!ちなみに!
市ノ瀬くんも、来るみたいよ☆】


「………市ノ瀬?
………………クローー!!」
「はい!どうかされました?」
命が大声で呼ぶと、ドア越しに黒崎が声をかけてくる。
命は裸の白羽にシーツをかけ直すと、ドアに向かって言った。
「入っていいよ」
「はい、失礼いたします」
黒崎が入ってくる。

「今から白羽のスマホ壊すから、新しいの用意して」

「……………は?」
唐突に言った命の言葉に、さすがの黒崎もフリーズする。
「後ね、白羽の周りの“市ノ瀬”って奴を調べといてよ!」
「かしこまりました。
神、さすがに勝手に内容確認するのは、やりすぎでは?」
黒崎が白羽のスマホを見ながら言った。

「なんで?」
「は?」
「白羽は俺のモノなのに、なんで俺が白羽の管理しちゃいけないの?」

「それは、本気で言ってますか?」
命を見据える、黒崎。

「本気で言ってますよ。
……………てか!」
「は?」

「ほんっと、白羽の周りって虫螻が多いね。
…………さぁ…どうしようか?
虫螻は、潰して、殺さないとだもんなぁ。
俺に悪影響しか与えない」

「あまり……白羽さんを悲しませることないように、お願いします」
尚も見据えて、言った黒崎。

「は?」
「貴方様にとっての悪影響は“白羽さんを悲しませること、嫌われること”なのでは?
このままでは、嫌われますよ?
俺は、貴方様が壊れるところはもう二度と見たくありません」

黒崎の力強い言葉と視線が、命を突き刺していた。
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