クラスの男子が全員、元カレだった件




「とりあえず、今日の放課後、行ってみようか」


と河野浩介が言った。


「行くって、どこに行くの?」


「決まってるだろ? 生徒会室だよ」


「生徒会室? どうして生徒会室なの?」


「米米ちゃんは、生徒会に訴えかけるところがあるだろ? 先に先手を打っておくんだよ」


そう言った河野浩介が初めてたくましく思えた。いや、しかし前にもこんなことが……。


「まさか、これも河野浩介が仕組んだことじゃないよね? 前に博くんにルーズリーフで手紙書かせたことあったし……」


「あ、あれはもう、高橋にひどい目にあったからね……さすがにもうあんなことしないよ」


「だといいけど……」


とりあえず、先手を打つってやり方は賛成だ。


「いずみちゃん、行ってみない?」


と広田博が言った。


「僕もとりあえず行ってみる方がいいと思う」


と重松茂も賛成した。


「そうね。とりあえず何ができるかわからないけど、行ってみよっか」


こうして私たちは小さな徒党を組んだ。目的は、私の平穏な学園生活を守ること。


というか、あの画像を撮って、回したのは一体誰なんだろう。



< 166 / 406 >

この作品をシェア

pagetop