クラスの男子が全員、元カレだった件
紅茶の量が半分ほどになった頃、カランコロンカランと音が鳴って、振り返ると、長田治が立っていた。
相変わらず、若白髪が混じった髪と似合っていないメガネ。その奥には、教室の隅で、かみつきそうほどに光る目が今もある。
「お、長田っち、いらっしゃい」
と店の奥にいた加持さんが顔を出した。
「座って、隣に」
私は隣の席をトントンと叩いた。長田治は少し戸惑い、それからまるで観念したかのように、私の隣に座った。
そのタイミングで、加持さんが淹れたコーヒーが置かれる。そして、加持さんはまた店の奥に入って行った。