クラスの男子が全員、元カレだった件
長い長い朝。
またまた電話がかかってきて、見ないで電話に出た。
「よっ、和泉、起きてる?」
元カレNo.10の河野浩介からだった。やっぱり起きてないので、電話を切った。
すると、またすぐに電話がかかってきた。
「ちょ、無言で切るのはひどくない?」
「何時だと思ってんのよ」
「何時って、えっと……」
「6時半よ、6時半! 私、学校ある日でも7:30に起きるのに、こんな時間からかけてくるんじゃないわよ!」
「いや、俺朝練あるから、起きるのいっつも5時だからさ。それより、今日……」
「無理」
「まだ最後まで言ってないぞ?」
「どうせ『今日暇?』とか聞いてくるんでしょ?」
「お、よくわかったな! 実は今日、花袋デパートのゲーセンでビンゴ大会があるんだよ。その商品に俺の好きなサッカー選手のユニフォームがあるらしくてさ、絶対欲しいわけよ。レプリカじゃない、実際に選手が着る本物だぞ?」
「だーかーら!」私はスマホを握りしめて、語気を強めた。
「私は今日、忙しいの! いい? わかった? ……よし、わかったわね! じゃあ、切る! バイバイキーン!」
電話を切って、すぐに青山碧の鼻を摘まもうとしたら、青山碧の目がパッチリ開いていた。
「和泉。あんた今日予定あったの?」