クラスの男子が全員、元カレだった件
「おい、顔貸せって言ったよな?」
バドミントンの授業が終わって、お昼休み。
教室で青山碧と弁当を食べていると、また高橋隆人が現れて、私の机をバンッと叩いた。
「ああ!!」と青山碧が叫んだ。
「びっくりして、いくらがこぼれたじゃん!」
と、スーパーで買ったと自慢していた、寿司のいくらがこぼれて両手で受け止めていた。
「いくらなんかどうでもいいんだよ」
「どうでもいい? 貧乏人なめるなよ! 私がこのいくらを食べるのにどれだけバイトしたと思ってんの!」
「知らねえよ、ブス」
「ブス言うな! 可愛いわ!」
と、高橋隆人の矛先はいつの間にか、旧友、青山碧に向いている。