クラスの男子が全員元カレだった件




「今、金ねえから、ラーメンで勘弁してくれないか?」


私の顔も見ずに、照れくさそうに言った高橋隆人の声が、何だか阪神が勝ったあの夜、通話してるときに言った、恥ずかしい告白と同じ声に聞こえて、私はつい、おかしくなって、笑ってしまった。


「バカにしてるのか?」


「ううん、違うの。なんか、こういうの懐かしいなって思って」


「懐かしい? 俺、金ねえってお前に言ったことねえけど」


「そうだね。あんたはいつも無理して、私のためにお金使ってたもんね」


「別にそうじゃねえよ。金は男が払うもんだって……」


「はいはい、そうだね。だから、ちゃんと今日も払ってよ? 私今日、朝ごはん抜いたから、結構食べるけど、覚悟してね?」


「バカ。俺の方が食べるわ」


結局、私はラーメン2杯、高橋隆人はラーメンを3杯食べた。


でも、餃子はあの頃と同じように、1皿を二人で分けて食べた。



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※一部不道徳な表現が含まれますがそれらを推奨・肯定するものではありません。 ※一部の登場する人物や団体名とは一切関係がありません。 ※『A』という呼称について、世間が震撼した某有名事件の元少年とは関係がありません。 ※作中の『茶番のような物語』については、フィクションです。 ただし、上記を読み込めば、また別の意味にも捉えられることをここに記し、それについては、不本意ながらではあるが、今できる精一杯で謝意を表しておく。

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