【短編】大切なその一歩
高校に入ったばかりの私は、右も左もわからない状況だった。
そんなときに声を掛けてくれたのが加奈だった。
それからというものの加奈とは、
本当に心の底から素になって相談できる相手になっていた。
初めてだった…。
人に対してこんなに真剣に悩みを打ち明けることが出来たのは…。
これもすべて加奈のおかげなんだよね。
加奈に相談すると、返ってくる言葉の1つ1つが重みのあるもので、とても為になるものだった。
「なぁーんで気持ち伝えないかなぁ?」
いつも直球の加奈の言葉は、
私の心に強く突き刺さる。
「だって…」
「あーー!!!!!!」
「なっなにっ!?」
「出た出た…茉莉のだって~って言葉。」
「なっなによっ!」
私は少し頬を膨らませて加奈を見る。
そんな目をしてもだめだよー!って感じに、
加奈は容赦なく私にストレートに言葉をぶつける。