【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「そんな君こそ、リーンの何なんだ?」

「二人とも。その辺でおしまいにしてください。イブ様。エルは私にとって、この国での最初の友達なんです。だから、そう言った意味では特別な友達」
 アイリーンが言うと、ノエルは勝ち誇った笑みを浮かべる。
「ですが、イブ様も大切な友達です。だから、エルとは喧嘩をして欲しくありません」
『大切な』と言われたことは嬉しいが『友達』と言われたときに、イブライムの心はなぜかモヤッとした。
「ここはリーンに免じようと思う」
 イブライムが言うと。
「それはこっちのセリフよ」

「エル。もうおしまいですよ」

 アイリーンはソファから立ち上がった。
「先に、部屋に戻りますね」

「リーン。私も一緒に戻るわ」

「エルはもう少しこちらにいてください」

「オレが送っていこう。どうせオレもこの恰好ではここにはいられない」
 ノエルは何か言いたかったのだが、言葉が見つからなかった。今、何かしら言葉を発したら、どうしても売り言葉に買い言葉になってしまう。

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