【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「あのイブ様」
 隠した口でアイリーンは彼の名を呼ぶ。
「少し考えさせていただいてもよろしいでしょうか」

「今すぐ返事が欲しい、と言ったら」

「心臓が持ちません」

「わかった」
 指に絡めていたアイリーンの髪をするりと解いた。
「良い返事を待っている」
 それでは断れない。良い返事以外は待たないってことだよね? と思いながら、アイリーンは頭を下げて、その場を離れた。

 文芸部の部室に寄ろうかと思ったが、やはり真っすぐ寮に戻ることにした。心臓が持たない。全力疾走をしたわけでもないのに、心臓がバクバクと音を立てていた。
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