【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「こちらの絵は、いつの時代の絵になりますか?」
 イブライムは彼女に囁かれて、少し耳がこそばゆい感じがしたが、それが嬉しくもある。

「これは、五十年前の絵だな。まだ、プーランジェといざこざがあった時代だ」

「そうなんですね。この絵が暗い感じがするのは、そういった時代背景があるからなんですね」

「そうかもしれないな」

「それを考えると、今、私がこうやってアスカリッドで学ぶことができているのも、不思議な感じがします」

「だけど、それを当たり前にしていかなければならないと思っている」
 その絵に視線を向けているイブライムの横顔を、アイリーンはじっと見つめていた。
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