【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 ふふっと、シエラは楽しそうに笑っている。その笑顔を見て、ユミエーラは本来の目的を忘れるところだった。過去の話よりも、今の話を聞くべきだった、ということを。

「それで、どうだったの?」
 ユミエーラのその声に、イブライムの護衛についていた男が、膝をついて報告する。

「はい。イブライム様は待ち合わせの十分前に、待ち合わせ場所に着きました」

「さすがのイブでも遅刻するようなことは無かったのね」

「はい。アイリーン嬢も、イブライム様の姿を見つけるや否や、小走りになりました」

「あら、これは見込みがあるのかしら?」
 ユミエーラの言葉に。
「ただ、待たせて悪いって思っただけじゃないの?」
 シエラのツッコミが入る。

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