【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 一曲踊り終えるとその輪から抜ける。

「おめでとう、イブライム」

「よかったわね、イブ」

 イブライムの両親、つまりアスカリッドの国王と王妃が祝いの言葉を口にした。アイリーンとしては、もう少し説明が欲しい。こんなときは、ユミエーラに助けを求めるに限る。視線で訴えると。

「あら、リーンは納得していないのかしら?」

 どうやら察してくれたようだ。二回ほど頷く。

「イブ、あなたきちんとリーンに伝えていなかったの? プロポーズしていないの?」

 プロポーズという言葉に反応したのはアイリーン。心当たりがあった。きっとあのとき。卒業後の進路を聞かれたときだ。

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