【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 アイリーンはものすごく美人、というわけではない。多分、美人度でいったらカーナやエレナの方が上だろう。でもなぜか、アイリーンは老若男女問わず、人から好かれている。多分、その笑顔と明るい性格が、好かれる要素を構築しているのだろう。
 そして、その術にまんまとかかってしまったのが、この守衛。アイリーンの人から好かれる体質は、国境を越えても健在らしい。

 守衛は彼女の後ろには青年と思われるような男性が立っていたことに気付いた。その彼も守衛に向かって一礼し、彼女と並んで歩き出す。この青年は彼女の関係者なのだろう、と守衛は思ったが、父親であるというところまでは頭が回らなかったらしい。むしろ、父親に見えない。
 この時、この守衛にとって、プーランジェという国に対して、印象が変わった瞬間であった。

 学院の敷地内は、休暇中でありながらもあと数日で学院が始まるからか、ちらほらと制服に身を包んだ学生たちの姿が目に入った。

 アイリーンとボイド公爵は学長室へと向かう。先ほど受け取った見取り図が役に立つ。もちろんアスカリッドの言葉で書いてあるが、このくらいの単語であればアイリーンも父親も読める。
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