約束の指にキスして。
そういってママは、アタシにキッペーを戻してパパの元へと走っていった。
おおかた、一緒に入るんだろうけども……

アタシとキッペーが鼻面をあわせて向き合う。

無邪気な目が、アタシを見つめた。

『約束って何??…凄く大事な約束かなぁ??キッペー…』

『キャン!』

桔平が楽しそうに前足をバタバタさせる。
アタシはそれが可愛くて、ギュッとキッペーを抱きしめた。

いっつも抱きしめられてばっかりだったから、たまには良いよね、逆も。

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