約束の指にキスして。
そして、アタシの頭を撫でた。



『泣いてんの?』

『泣いてるの………』

思わずその胸に潜り込む。
優しい手が、アタシの頭を撫でる。

『匡ちゃん………』

『ん?』

『桔平、いるかもしれない。この町に。この町のどこかに…』

泣きじゃくるアタシの肩を抱いて、匡ちゃんはアタシを家に入れた。

匡ちゃんはホットミルクを作り、アタシに差し出す。
手が震えて持てないアタシの手を優しくとり、マグを持たせてくれた。

< 330 / 526 >

この作品をシェア

pagetop