約束の指にキスして。
『綺麗…』

『フレア。ユリの紋章なんだ。』
小さな小さな、だけど鮮明な形のフレア。
どんな角度でも、キラキラと輝いて見える。

『これ…桔平が作ったの?』

『うん、そうだよ。…恥ずかしいけど。』

『全然恥ずかしくなんかない!すっごく綺麗…すっごい嬉しい……。』

桔平の手が私の頬を撫でて、その手に降れると、私の目に赤い小箱にある、もう片方のピアスが目に入った。
片方だけあいた穴。
もうひとつのピアス。

私は、コットンを耳にあてながら黙って鏡越しに私をみていた桔平に飛んで抱きついた。

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