約束の指にキスして。

こゅびのぃみ。

「こらー。あんまり走り回っちゃ駄目だよ、二人とも!」

「アンアンっ!」

キッペーとエリは元気よく協会の中を走り回っている。
今日ゎ、今日、桔平と二人で来るはずだった協会に来ていた。
健司はどうしてもはずせない講義があるとかで、大学に行っている。
医大生の健司は忙しい。
健司は病院の跡取り息子だから、どうしてもやっぱり行かなきゃいけない。
私を心配しながら大学に行った。
「ほら、二人ともおいで。今日はね、二人の結婚式なんだよ?」

「クゥン?」

二人とも首を傾げて私をみあげる。桔平と、二人で、私達は一緒になれないから、せめてキッペーとエリとを結婚させようって言ってたんだ。
それが、今日。

ちゃんと協会まで予約して、二人で今日を楽しみにしてたのに。

「ちょっとごめんね…」

キッペーとエリの首輪を外して、新しい銀の首輪をつけてやる。
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