キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜
「もしかして、“しの”ってあだ名も日南先輩がつけたんですか?」
「そうだよ。幼稚園の頃にはもう、そう呼んでたかなー」
どうりで……!
しのとサリー、親近感!──とか思っていたけど。
そりゃそうだよ。
だって、同じ人がつけたんだもん。
「日南先輩は下の名前で呼ばれているんですね。初めて聞きました……!」
「みんな『日南』だもんなー。俺のこと万桜呼びするのは、家族以外だと、しのしかいないかも。……あ、サリーちゃんも俺のこと『万桜くん』って呼ぶ?」
「えっ……」
突然のことで固まってしまった。
日南先輩の下の名前、すごく素敵だと思うけど……呼べません!
「はは、冗談」
「……つーか、桐生先輩待たせてんだからさっさと行けよ」
「冷たーい!俺、先輩だよ?もうちょっと敬えよ」
「敬える行動をしてください」
……なんか、すごくいいコンビっぽい。
「ま、いいや。じゃあね」
日南先輩は笑顔で去って行った。
「言っとくけど、本当にただの幼なじみだから。訊かれても何も答えられないから」
じっと見ていた私の心の内を読んだのか、星野くんは呆れるようにため息を吐いた。
ちぇっ。日南先輩のこといろいろ教えてもらえると思ったのに。