キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜
「そっか。すぐ見つけられると思ったんだけど」
「……どこにいるんですか?」
「ん?……あぁ、最近はあんま学校に来てなかった」
「それは見つけられないです……」
学校に来てないって……家庭の事情とか?病持ちとか?
サボり、ではないよね。
「だよなー、ごめん。……サリーちゃんは元気だった?」
「え……、あ、はい」
「俺はね、元気だったよ。まぁ俺に元気ない時なんてないんだけどさ……って、どうでもいっか。また俺ばかり喋ってるし」
あははと能天気な笑いさえも優しい。
本当に……どんな人なんだろう。
「……喋ってくれていいですよ」
体育座りをして膝に頬をつけながら、時間の流れに身を投じる。
彼と話している時だけ、私はゆったりした気分になれる。