キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜
でも……。
なんて答えればいいの?
日南先輩に好きって言ってもらえて嬉しい。
思ってもみなかったことだから、本当に嬉しい。
だけど、私は日南先輩のことが好きなの?
まだはっきり答えが出ていない。
────日南は恋愛対象にならない。
答えが出ないまま気持ちに応えて、もし日南先輩を傷つける結果になったら……?
「あの……日南先輩」
俯きがちになった視線を戻し、再び日南先輩と目を合わせようとした時だった。
伸びてきた日南先輩の手が強引に私を引き寄せて……。
「「ギャ────!!!」」
その瞬間、今日1番の叫び声が響き渡った。
不意をついて乗っかった温もり。
アロマのような匂いが鼻腔を抜け、柔らかな触り心地に包まれる。
全身を日南先輩に支配されて。
かつてないほど、ドクンと心臓が跳ねる。
気づけば、私は日南先輩の胸にすっぽり収まっていた。