キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜

『は?なんでだよ』

『サリーちゃんと電話してんだよ』

『お、なに。やっと電話来たの?良かったじゃん』

『日南、朝からずっと待ってたもんなぁ』


朝から……?


『うるせぇな。いいから黙れよ』

『はいはい』


『お待たせ』

「ふふっ」


つい吹き出してしまった。


『サリーちゃん?……あ、今の聞こえてた?』

「はい。……朝から待ってたんですね」

『あーうん。それを楽しみに今日1日乗り切ったって感じ……って、改めて振り返ると、すんげぇやばい奴だな』

「そんなことないです。嬉しいです」


それから私たちはお互いのことを話した。


2年生がいない学校は静かだとか、混んでいなかったから久しぶりに購買部で昼ご飯を買ったとか。

日南先輩は、昼ご飯に食べた沖縄そばがすごい美味しかった、と力説していた。


まるでお互いの思い出を共有するみたいに……。


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