キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜

***


せ、せーふ……。

チャイムと同時に教室に駆け込んで、ギリギリ間に合った。


そのままSHRを受けて。スマホを忘れていることに気づいたのは、1時間目の授業が終わった後。



「そんなことがあったんだ」


すぐに愛良に事情を説明した。


「でもそれさ……日南先輩、すごく心配してるんじゃない?」

「うん。冷静になって考えると、私、現在進行形で酷いことしてる」


急に電話が切れて、音沙汰無し……絶対心配してる。

日南先輩に謝りたくても、スマホを忘れて連絡ができない。


「あたし、日南先輩の連絡先知らないからなー」

「そもそも日南先輩の連絡先ってレアなんだよね……」


俺が知りたいと思う人としか交換しない──って言ってた。


「そういえば、インスタやってなかったっけ?そこからなら」

「アカウント作るだけ作って、一切使ってない……」


写真投稿0・フォロー0なのに、なぜかフォロワーが多い日南先輩。


「あの見た目でなんつー現代離れした高校生……ん?」

「なに?」

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