キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜
ベランダの窓枠に足をかけて入って来る、カラフルな髪の集団──赤、青、金……。
目がパチパチする髪色は相変わらず。
だけど、いつもと違うのは、服装。
みんな、ファッションショー用の衣装に着替えていた。
和洋折衷がテーマの衣装。
難しいコーデも見事に着こなすその立ち姿は、まるで物語の世界から飛び出して来たような美しさ。
5人並ぶとより壮観。
さらに、登場の仕方も奇抜で。
女子たちが声を上げたくなるのもわかる気がする。
アイドルさながらの彼ら。
先頭に立つピンク髪の日南先輩は──しかし。
どういうわけか、ひどく険しい顔をしてこちらに向かっていた。
初めて見る日南先輩の表情。
私の傍まで来ると、その場にしゃがみ込んで手を差し伸べてくれた。
「サリーちゃん、大丈夫?」
大きくて骨張った手。
その手に触れると、熱を持っていてドキッと胸が鳴った。