雨降る傘の下で、愛は始まる〜想う愛に想われ愛
「あっ、でも魔が差したらごめん」
「えっ?」
私がびっくりした顔をすると
「冗談だよ。俺が、女性としての魅力もまだないお前に、手を出すわけないだろ。だから早く部屋に入れ」
私は取りあえず、部屋に入り、どこに座っていいかも分からず、とりあえずベッドに腰掛けた。
「俺、ちょっとブラブラしてくるからさ。帰りコンビニ寄るけど、何かいる?」
「えっとー、アイスが食べたいです」
「1時間は戻らないから、その間でシャワー浴びてろよ。ホテルに着いたら電話入れるから」
「シャワー、ですか?」
「俺がいてる時に入る気?」
「い、いえ、ありがとうございます」
神崎さんが出掛けた後、直ぐにシャワーを浴びた。
一緒に泊まるとは思ってなく、部屋着は凄くラフなものだから、恥ずかしかったけど、神崎さんは私のこと、女性扱いしてないみたいだし・・・
あれっ、どうしたんだろう・・・凄く寂しい・・・

1時間経ってから、神崎さんから電話があった。
「ホテルに着いたけど、もういいか?」
「はい、大丈夫です」
「今から部屋に戻るから、俺がもう1度電話するまでは絶対にドアを開けるなよ。お前は油断して今すぐ開けそうだからな」
私は、ドアを開けようとした手を止めた。
「そ、それくらい私だって分かってますよ」
神崎さんに行動を読まれている。
私は神崎さんの電話が鳴ってからドアを開けた。

「はい、これアイス」
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