雨降る傘の下で、愛は始まる〜想う愛に想われ愛
【嫉妬から始まる2人の危機 ~朝陽】
嫉妬心に苛まれる。
嫉妬するほど、1人の女性を愛したことが無かったから、こんな気持ちになるのは初めてで、どうしていいか分からなかった。
俺って、こんなに独占欲強いんだ。
美咲をこのまま抱いても、それでも収まらない。
美咲の過去、それも学生時代の頃に嫉妬しても仕方ないことだ。
俺だって、美咲と付き合うまでは色々経験した。
それでも、嫉妬するなんて経験がなかった。
他の男に行けばそれまでだと思っていたし、ドライな関係が多く、そこまで気持ちを入れ込んで、愛した女性もいなかったから・・・
嫉妬で美咲が傷つく言葉を言ってしまうかもしれない
まさか、その嫉妬の相手が津田なんて。

美咲のことは、始めは面倒なことを押し付けられたと思った。
でも、初めての出張では、無防備に俺の肩に寄りかかって寝ている姿に、戸惑いながらも愛らしさを感じた。
迷子になったり、どこか危なっかしい美咲に、俺がいないと、勝手にそう思いだしてきた。
仕事も一生懸命覚えようとする姿に、後輩としてでない感情が少しずつ湧いてきた。
そして、1つの部屋に泊まることになった時、美咲の部屋着にどきっとした。
『女性としての魅力もまだない』
なかなか部屋に入らない美咲を安心させるためにそう言ったけど、十分魅力的な女性だった。
そんな素振りを見せてはいけない、必死で平常心に戻した。
その後、なかなか眠れず、ふとベッドの美咲の寝顔を見て、愛おしい気持ちが溢れていた。
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