雨降る傘の下で、愛は始まる〜想う愛に想われ愛
駅の前に来て、津田さんは黙ったまま足を止めた。
「朝比奈、俺さぁ」
「あっ、津田さん待ってください」
携帯が鳴っているのに気が付いて、見ると朝陽さんだった。

「朝陽さん、お疲れ様です」
『美咲?まだ家じゃないの?』
「はい、今から電車で帰るところです」
「俺が今から朝比奈を家まで送り届けるから、心配するなよ!」
「もーっ!嘘ですよ、朝陽さん、私1人で今から帰りますから」
『津田と一緒か?美咲、本当に1人で帰るんだな?』
「本当ですよ!もう津田さん!」
「ははっ、じゃあ朝比奈、また明日な」
そう言って津田さんはホテルへと帰って行った
「朝陽さん、私、取りあえず、電車に乗ります。帰ったら電話しますね」
『駅に着いたらすぐに電話しろ』
「わかりました。一旦切りますね」
私は一旦電話を切り、最寄り駅に着いた時、朝陽さんに電話を掛けた。
「朝陽さん、駅に着きました。今から家に戻りますね」
『1人だよな』
「もちろんですよ」
『津田から、何か言われたりしてないか?』
「・・・いえ、別に。朝陽さん、今度の金曜日は行ってもいいですか?」
『あぁ、大丈夫だ』
「じゃあ、金曜日楽しみにしてますね。もう家の前に着きましたよ」
『あっ、美咲、明日も家に来ないか?』
「行きたいです!」
久々に優しい声を聞いて安心した。
朝陽さん、ずっと忙しかったから・・・
久しぶりに朝陽さんにぎゅっと抱きしめて欲しい。
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