雨降る傘の下で、愛は始まる〜想う愛に想われ愛
【初めてのクリスマスイヴ】
初めて2人で過ごすクリスマスイヴは、家でご飯を作って過ごすことにした。
「朝陽さん、そこの料理、お皿に盛りつけてください」
「はい、はい」
「はいは、1回でいいんです」
「俺、そのうち、尻に敷かれそう」
「いつも私をからかう仕返しです」
私は舌を出し、笑って答えた。
「こんなに可愛かったら俺、職場でも油断してキスしそう」
「そ、それは我慢してください。私だって我慢してるんだから」
「だから、そういうところだよ」
料理を運んで机に置くと、朝陽さんに抱きつかれてキスされた。
「もー、料理運んで下さい」
「そうだな、楽しみは後だ」

ケーキも食べ終わり、朝陽さんにプレゼントのネクタイを渡した。
「ありがとう。俺から美咲へのプレゼントは後でな」

2人で片付けをして、寝る準備をし、寝室に入ると、朝陽さんがベッドに腰かけて待っていてくれた。
「美咲、ここに座って」
右手でポンポンと自分の横に座るように促された。
ベッドに腰かけると、朝陽さんは私の手の指を絡めて目を見つめた。
「美咲」
落とされる口づけは甘く優しく、それだけで酔いしれる。
朝陽さんの唇が離れた時、指を絡めた左手にキスをされた。
「俺からのクリスマスプレゼント」
「これって・・・」
左手の薬指には、シルバーに小さなダイヤがついた指輪が輝いていた。
嬉しくて涙が溢れ出す。
朝陽さんは私の涙を指で拭いながら、優しく囁いた。
「一緒に暮らそう」
直ぐに唇で塞がれて、私は言葉にできなかった。
「愛しています」と・・・
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